慌てふためきながら 星は
いどころをなくして
わんわんないていた

「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
太陽が温かな熱をあたえつづけても
星はないてばかりいる

「どうして、きみはないているんだい」
「どこにも隠れられないからさ」

いちごんずついうたびに
星が流すなみだは量を増す
やがて なみだの渦にのみこまれて
星はとけて 宇宙にちった
その瞬間まで太陽は星をなだめた

まっしろな空間に漂うことも許されず
太陽の熱によって微塵までとかされ
笑顔だけ残した






星のいのち(2008/01/04)
(最期の愛)