慣れ親しんだ海で 光を浴びた
ここちよい興奮が どっと脳へ押しよせるとともに
ああ、これまでか と呟く

頭ではわかっている
これが還っていく過程であることを

ぼくはクラゲだった
いいや 海だった
懸命に生き
そのあいだ ぼくとして存在したところを愛した

きっとこれからも誰かによって愛される
だから ぼくはとり残されないように消えるの
ちゃんと明日へ引きつがれていくように

生命のいとなみのなかで
ぼくは還っていくのだから






クラゲ(2009/06/28)