きこえてくる雨音はぼくの胸をつらぬいて
きみの頭の暗いところを見せていった
そして自然とその光景はなみだを生みだし
ぼくのこころをみずうみと化した

ぼくの胸に降りそそぐ雨は
きみのもつ たくさんの宝そのものだったの
じわじわとぼくの衣服を変色させていく
きみの生きてきた様もそうやって少しずつ変わっていった
けれども全てきみなんだ
(どうしてぼくはずっとわからなかったのだろう)

今まできみはたしかに生きてきて
たしかに ずっと生きてきて
ぼくに笑いかける日々だってそこに在った

雨音が止むまでに
ぼくも精一杯生きて
こころの奥底に眠るあの日の影を
だれかに伝えよう






さんざめく雨音(2009/09/08)