花火よりも鈍い爆発音が家の外からきこえてきて、驚いたぼくはとっさの判断であわてて外へかけだした。

それまでぼくは、家の外の世界が好きだった。特に、空。昔、おばあちゃんに教えてもらったんだ。お空の上には神さまがいて、そこからぼくたち人間を観察しているんだって!そのときぼくは思ったけれど、神さまは絶対人間にあこがれているよね。だってさ、四六時中人間を観てるなんて、好きじゃないとできないよ。しかも、ただ好きであることだけじゃだめなんだ。こころなんて弱いから、ふとしたことですぐに嫌いになっちゃう。だからね、あこがれがないとできない。

神さま。今も観ていますか。ぼくを。そして、花火のように散ってしまった鮮やかな色を。あなたがあこがれている人間はこんなものですよ。独りになったぼくを観て嘆いてください。






神さまが不在であったために(2007/03/15)